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事例:大和小田急建設株式会社

大和小田急建設株式会社/導入事例

Autodesk Revit を修得した設計1年目の社員を原動力に。
3次元を駆使する新たな設計スタイルで
設計品質向上と業務効率化を推進。

大和小田急建設メインイメージ

設計という仕事は、本来きわめてクリエイティブで、楽しい作業であるはず。しかし、厳しい業務環境のもと、設計者の業務は設計以外の部分が拡大し複雑化して、設計本来の楽しさが見失われがちではないでしょうか。そのため設計品質が下がり、設計図面間の不整合などが発生すれば、トータルな業務効率まで低下しかねません。そのような環境下で、大和小田急建設は課題解決へのカギが「設計者自身が使える 3 次元ツール」にあると考え、Autodesk Revit Architecture を導入。設計部門の若手を選抜し、トレーニングを受けさせました。

設計品質向上のカギは「設計者自身が使える」3 次元ツール

2009 年に創業 140 周年を迎えるゼネコン 大和小田急建設は、2008 年 4 月に住宅メーカー、大和ハウスグループの 1 社として新たなスタートを切りました。そんな同社の設計部門で、Autodesk Revit Architecture を核とする 3 次元化へのチャレンジという新たな動きが始まっています。

Autodesk Revit を導入したきっかけ。それは専門誌に載った Autodesk Revit の記事だったといいます。

「これを読んで"設計者が使える 3 次元ツール"だと興味を持ちました。私は CG 担当ですが、設計者が 3 次元を使うべきだと感じる機会が多かったんです」と、大和小田急建設株式会社の長岡 拓哉 氏は語っています。
同社のワークフローでは、3 次元 CG が制作されるのは意匠設計の完成後となります。そのため、意匠担当の設計者が 3 次元モデルを見て修正を加えたいと思っても、既に設計はフィックス済み。変更すれば、やっかいな手戻りを発生させるケースが少なくありませんでした。

「当社では、以前から設計図面間の不整合が問題となっており、意匠・構造・設備間だけでなく意匠図面間でも不整合が発生し、現場の作業効率を落す原因となっていたんです。Autodesk Revit のセミナーで聞いた講師の言葉 "Autodesk Revit による 3 次元設計では、図面間の不整合はあり得ない" がその解決のカギになると考えました」

さらに、
「Autodesk Revit でモデリングし、可視化することで、設計意図を明確に表現できるようになり、かつ既に使用しているオートデスクの CG 制作ツールの Autodesk 3ds Max と Autodesk Revit がシームレスに連携できると知り、より迅速で効率的な CG 制作のワークフローを実現できると思いました」(長岡氏)。

こうした経緯を経て、同社の設計部門はAutodesk Revit を導入し、2007年からその本格的な普及活動を開始しました。若手を主体に 6 名を選抜し、Autodesk Revit の導入研修を実施。トレーニングは、週 1 度のペースで各 4 時間/計 6 回にわたりセッション形式で行われました。
「目標としたのは確認申請に出せるレベルのモデリングと、製図的な 2 次元作業が行える機能習得。かなり密度の濃い内容でしたが、その研修で頭角を現したのが、当時、現場研修から帰ったばかりだった、設計一年目の社員の中村さんだったのです」(長岡氏)。

設計1年目の新人が Autodesk Revit を駆使 設計本来の楽しさを引きだす

「3 次元 CAD は大学で使いましたが、特に得意ではなくて......だから初めて Autodesk Revit に触れた時は驚きました。最初テキストに沿って独習したんですが、学生時代に他社 CAD で苦労した部分が簡単にできてしまうんです。大げさでなく、凄い!と」(中村氏)。

当時まだ研修期間中の新人だっただけに、他の誰よりトレーニングに集中できた中村氏は、課題を着実にこなし知識を吸収していきました。無論6回の講習で Autodesk Revit のすべての機能は修得しきれませんが、そこで「Autodesk Revit でできること」を実感した同氏は、ごく自然に自身の設計に3次元を取り入れ始めました。

それは同年秋に始まった第2段階の研修ではっきりしたものとなりました。
実案件の敷地条件を使い、実際に設計するという課題で、最終成果品はプレゼンボードに仕上げて中村氏が部会で発表を行いました。
「中村さんの課題は勾配付きの敷地。普通の新人なら普通に四角い建物を建てるだけで精いっぱいですが、彼女は新人とは思えないほどデザインに凝ったんです」(長岡氏)。
それを可能にしたのが Autodesk Revit を活用した設計手法。中村氏はそれを「3次元の中に入って設計する」と表現しています。「3次元モデルを活用して視覚的にボリューム検討し、ルーバーの高さや家具の配置も 3 次元の中に入りこんで、目で見て決めました。こうすると図面ではつかみにくい空間形状も直感的に把握できるし、何より設計が楽しくなるんです」(中村氏)。

中村氏が実際に作成し、プレゼンテーションに使った資料。

こうした特異な効果は、他の業務シーンでも発揮されました。中村氏はミーティングで進行状況を度々報告したが、図面による説明では理解されなかった内容が、3次元を使った途端はっきり伝わったといいます。





断面図もAutodesk Revit Architectureにより作成されています

「おかげで皆からたっぷりミスや検討不足を指摘されました」と笑う同氏は、最終成果物の制作や部会での発表で Autodesk Revit をフル活用。プレゼンボードに使う図面は平面と断面だけにして部分パースを多用し、立面はノート PC で Autodesk Revit の3次元モデルでプレゼンしたのでした。無論、設計自体には未熟な部分もあったといいますが、その仕上がりは、プレゼン手法を含め高く評価されたといいます。

プレゼンで活用された部分パース。設計作業自体が3次元モデルを作成する作業となるため必要なアングルを設定するだけで作成が可能。よりイメージが伝わりやすい。

「この 1 年の中村さんの成長は、私にとっても示唆に富んだものとなりました。クリエイティブワークとしての設計の楽しさを引きだす Autodesk Revit。伝えやすく説得力豊かなコミュニケーションツールとしての Autodesk Revit。設計変更への圧倒的な対応力を備え、他部門との連携を可能とする BIM ツールの Autodesk Revit......Autodesk Revit の多彩な可能性を感じることができました。さらに社内外への普及を進め、実案件への活用を本格化させたいですね」(長岡氏)。

イメージ2Autodesk Revit Architecture で作成された外観イメージ。Autodesk Revit Architectureでのプレビュー画面。
イメージ2mental ray による夕景のレンダリング

プロジェクトプロフィール

プロジェクト名:プレゼンテーション

ギャラリー


会社プロフィール

大和小田急建設株式会社
本  社:東京都新宿区西新宿 4-32-22

設  立:1939 年 1 月 26 日
資本金:10 億 8,600 万円(東証第一部上場)
従業員数:829 人(2008 年 3 月 31 日現在)
事業内容:建築工事および土木工事の請負、建築工事および土木工事の調査、企画、診断、測量、施工、設計、監理、マネジメントおよびコンサルティング鉄道、道路、公園、上下水道などの公共施設並びにこれに準じる施設の設計・施工及び維持管理ほか

【導入製品/ソリューション】
Autodesk Revit Architecture
AutoCAD
Autodesk 3ds Max

【導入目的】
・設計業務における 3 次元の活用
・図面間不整合の撲滅など設計品質の向上
・作業効率の向上

【導入効果】
・設計意図の的確かつスピーディな伝達
・プラン変更へのスピーディかつ的確な対応
・クリエイティブワークとして設計の再認識
・社外を含む設計部門での 3 次元活用の活発化
・設計と CG 制作のシームレスな連携によりワークフローが改善

【今後の展開】
・Autodesk Revit 自体の設計部内でのさらなる普及
・設計における 3 次元活用スタイルの確立
・社外を含めた関連各部門への連携の研究

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