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事例:株式会社BM都市設計

株式会社BM都市設計/導入事例

受注減打開の切り札としてAutodesk Revitを導入。 “全て”を一変させた小規模事務所のイノベーション

2次元CADの限界がクリエーティブの可能性を制限

東京・東池袋に本社を置くBM都市設計は、今年創業30周年を迎える設計事務所です。当初は大山廣一氏の個人設計事務所としてスタートしましたが、2004年にそれまでゼネコンに勤務していた長男の大山健一氏が入社し、現在は父子協業で運営されています。

大山氏 「手がける物件は住宅、共同住宅を中心にオフィスビルや店舗、工場など年間10から15棟ほど。高い水準でデザイン性と実用性のバランスを取りながら、お客様の要望に確実に応えていくことを目標にしています」。そう語るのは、20代の若さで同社の設計、監理など、実務面を一手に引き受ける大山健一氏です。そんな大山氏は、2007年あることをきっかけに、新たな設計ツールとしてAutodesk Revitの導入を決めました。

「当社代表が初めてCADを導入したのは1980年頃のことですから、個人設計事務所のとしてはかなり早かったと思います。以来、当社では一貫してある国産CADを使い続けてきました。私自身も入社後はそれを使っていました。しかしお施主様の多用な要望に某CADが対応できず、経営危機に直面しました」。
その危機とは急速な受注減でした。従来型のプレゼンテーションを行ってもなかなか決められらず、コンペティションにも勝てないケースが連続し、事務所全体の仕事量が減りつつあったのです。

「原因は提案力不足。使っていたCADの機能が不十分で、高度化する一方のお客様の多彩な要望に応えきれなくなっていたんです」。同社が使っていたCADはプレゼン機能が乏しく、デザイン機能も2Dベースで柔軟性を欠いていました。そのため設計者の柔軟なアイディアを形にすることができず、中途半端に妥協したプランを見せるしかありません。まさにツールの限界がクリエーティブの可能性を制限していたのです。こうしたことから、大山氏は、プレゼン機能やデザイン性に優れた3次元CADへの乗換えを決断しました。

1本で全てをまかなうためにAutodesk Revitを選択

「マンパワーに頼れず、外注を使う予算も乏しい小規模な設計事務所にとって、ツールの選択は非常に重要な課題です。特に3次元CADともなれば安い買物ではないし、その選定に失敗は許されません」。

こう語る大山氏が、複数の3次元CAD製品を厳しく比較検討したことは言うまでありません。大山氏が製品の比較ポイントとしたのは、課題であったプレゼン機能やデザインの自由度、使い勝手の良さ、価格。そしてそれらの大前提として“設計業務に関わる全てを1本でまかなえる”ことが重視されました。

「なぜなら小規模事務所では、全てを1人で行うからです。企画設計から提案、現場監理、確認申請、構造図まで全部です。ですから、さまざまな図面を作成するのにいちいち別のソフトを使ってはいられないし、生成される膨大な図面データの整合性やデータ管理も問題になってきます。1本で全部できなければ話にならないんですよ」。

こんな小規模事務所ならではの“高いハードル”をクリアしたのがRevitでした。使いやすく自由度の高いデザイン機能はもちろん多彩な図面作成に対応し、しかも各図面データは完全な整合性を保つ。まさに大山氏が望む通りの3次元CADだったのです。

導入したRevitを、大山氏は特に操作講習など受けることもなく、実務で使用しながら学んでいきました。長年なじんだ2次元的な感覚を、3次元的発想へ切替えるのに時間がかかったようですが、操作に慣れるにつれて次第に効果を発揮してきました。

「完全な整合性をもつソフトなので、今まで2Dの限界で仕方ないと割り切っていた部分もごまかせません。発想の切替が必要でしたが、それでも1、2カ月で使えるようになりました。そしていったん慣れてしまえば、逆に設計者としての発想を大きく広げてくれるんです」。

Autodesk Revitの導入により業務の全てが一変

大山氏の言葉通り、小規模事務所ほどツールが業務にもたらすインパクトは大きくなります。実際、BM都市設計でも数カ月経ぬうちにRevitの導入効果が現われ始めました。

「何が変わったかといえば“全て”ですね。Revitによって企画設計はもちろん、作図も営業も現場監理も確認申請も、全ての業務が一変したんです。特にRevitの3Dプレゼンテーションの活用により、お客様やさまざまな施工業者とかつてないほどスムーズなコミュニケーションが実現できたのは、業務全体に非常に大きな影響がありました」。

リアルタイムにお客様と打ち合わせで設計意図を正確に伝えられるのはもちろん、手施工業者との打合せでも、細かい取り合いや収まりなど図面で伝え難い細部も3Dなら一目瞭然。結果として施工精度が上がり全体が効率化されるし、お客様も施工業者の反響も上々です。

「前述の通り設計者としての発想が拡大され、より自由に空間提案できるようになったのは大きな収穫です。また作図効率化効果も非常に大きく、特にコンポーネントの中に仕様などをいれることによる部品管理を含めての効果が大きいですね。法改正で必要な設計図書は増えたのに作図時間は変わりません。全般として“設計者本来の仕事”に集中できるようになった実感がありますね」

いまやRevitは、大山氏にとってクリエーティブツールとして、プレゼンツールとして、コミュニケーションツールとして、なくてはならない「業務の核」的な存在となっています。そして、こうしたRevitの幅広い活用の先に、大山氏はBIM(Building Information Modeling)へと続く道を見据えています。

「もちろんデータが分野の壁を超えて回るようにならなければ、BIMは本領を発揮できません。しかし、遠くない将来、おそらくはRevitをプラットフォームに、それが回り始めるのは確実です。もしこの流れに乗り遅れてしまったら、小規模事務所が存続していくのは困難でしょう……。将来を勝ち残るために、私たちにはRevitが必要なのです」。


施主と打ち合わせをする大山氏。Autodesk Revit Architectureを打ち合わせ時にも使用。設計意図を的確に伝え、コミュニケーションを円滑にしています。

ギャラリー


会社プロフィール

株式会社BM都市設計
本  社:東京都豊島区東池袋5-35-1
代表者:大山廣一
創  業: 1979年5月1日
資本金: 1,000万円
事業概要:建築の企画設計・設計監理、建築コンサルタント業務
1954年に大山廣一氏が創業した個人設計事務所。その後、長男・大山健一氏が入社し、現在では親子2代で建築設計業務に取組んでいる。取引先は地場の工務店や建築会社が多く、個人住宅から共同住宅、事務所、店舗、工場まで幅広い物件を手がけている。
URL:http://bm-sekkei.co.jp/

【導入製品/ソリューション】
Autodesk Revit Architecture

【導入目的】
顧客に対する提案力の全般的向上
企画設計の自由度アップ

【導入効果】
顧客・施工会社とのコミュニケーションの円滑化/設計意図の正確な伝達
デザイン発想の柔軟性、企画設計力の向上
各種図面の作図効率ほか関連業務全体の効率化
安定した受注確保

【今後の展開】
環境シミュレーションなど設計の科学的根拠の充実
BIMに関するノウハウの蓄積などBIM展開への布石

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