IPD(インテグレーテッド・プロジェクト・デリバリー)は、米国の建設業界から生まれた新たなビジネスモデルです。現在、日本でも考え方が広がり取り入れる建設会社様も増えてきました。

IPDとは、建築家、エンジニア、請負業者、施主など、建築プロジェクトにかかわるチームが初期の段階から協力し、最適な建物を建てるという共有目的の下、最も有効な決定を共同で下すことを可能にする協業形態です。

IPD概念図

多くの成功した建築プロジェクトの成功要因は、"チームの良好な関係"であり、建築家、エンジニア、請負業者が"良い建物をつくる"というモノづくりにおける目標を共有することです。

IPDは、こうした成功を実現するため、施主を設計段階から関与させて、単に初期費用にとどまらず、工事日程やパフォーマンスといった目標の設定にも関与できるようにします。 同時に、設計、エンジニア、施工などの各専門家にプロジェクトの結果に対するリスクと報酬を共有させることで、チームの中でお互いの責任の追及や転嫁ではなく結果や問題の解決策への注力を維持できるようにします。

このIPDの協業形態では、BIMテクノロジをプロセスの全局面で活用して、常に一貫したプロジェクトの情報をリアルタイムに可視化、共有できる環境が不可欠となってきます。各工程における専門家の能力を十分にプロジェクト活かし最適な建築を実現するためには、統合されたチームによるIPDの業務形態と、BIMテクノロジの環境が不可欠なのです。

プロジェクトフェーズのイメージ
プロジェクトフェーズのイメージ。従来はそれぞれのフェーズに対して、設計事務所、ゼネコンなどの担当会社がそれぞれの業務を分けてプロジェクトが進んでいました。IPDではプロジェクトチームが全てのフェーズに責任を持ち、コミュニケーションを図りながらプロジェクトを進めていきます。