フロントローディングとは、一般的に設計初期の段階に負荷をかけ(ローディング)、作業を前倒しで進めることをいいます。
BIMアプローチでは、設計初期に、3次元建築のモデルと必要な属性情報の作り込みを行い、情報を活用したシミュレーションや検証を行うことで、初期段階に負荷をかけて(フロントローディング)事前に設計検討や問題点の改善を図ることにより、早い段階で設計品質を高めることが可能です。
従来は模型を作成して設計検討、改良、確認をおこなっていましたが、BIMの導入でこうした工程に替えて、3次元モデルをバーチャルに可視化し、シミュレーションによる検証によって容易に品質の最適化を図ることができるようになります。これにより、設計の現場で頻発する手戻りによるスケジュールの長期化や、無駄なコストの発生を事前に防ぐことが可能になります。
これまでのワークフローでは、仕事量のピークは実施設計段階に位置しています。設計図の不整合や未決定部分の存在が、コストアップや工期の遅れ、品質低下の原因となっていました。
BIMを導入してフロントローディングを実施すると、このピークが基本設計段階に前倒しされ、コストアップの要因となるあらゆる問題を排除していきます。